研究課題
本研究は、代表者が展開してきた確率力学系と不変量理論の観点から、不確実性を考慮したプロジェクト事業投資の価値評価のキーとなる“ランダムキッシュフロー現在価値”を確率系とみなし、その上の不変量である“効用無差別価格”概念を用いることで、新たな投資価値評価法(UNPV法)ならびにその特別な場合のリスク鋭感的価値尺度(RSVM)法を構築し、その理論展開と発電設備投資への適用を通じた有用性の検証を主目的としている。平成26年度はこれまでの成果を深化と共に、それらの融合にも力を注いだ。代表者・三澤哲也は分担者・宮内肇と共に、これまで開発してきたUNPV法やその近似統計モデルの実務的な有用性をより確かにするために、適用対象である火力発電設備投資シナリオシミュレーションの精密化や背景となる電力卸価格分析を行い、より現実的な設定においても我々の手法は有効であることを確認した。なおその共同発表論文が、電力事業系の国際会議“the 20th International Conference on Electric Engineering 2014”において “Best Paper Award”を受賞した。分担者・宮原孝夫はRSVM法が有効であるような適用対象を検討し、プロジェクトにおける規模のリスク評価や動学的な価値評価においてその有効性を確認した。なお後者については、確率制御理論におけるリスク鋭感的最適コントロールやリアルオプション・アプローチの考え方が有用であることが解明されつつある。分担者・宮内肇は、代表者・三澤哲也と共に、上記の宮原孝夫の成果の応用として、太陽光や火力による発電施設の投資における規模を考慮したRSVM事業価値評価法の有用性を検討し、事業価値評価の試行中にRNPVが負となるケースがある場合、最適な投資規模の存在が確認された。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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