研究課題/領域番号 |
24540137
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
田畑 稔 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70207215)
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研究分担者 |
江島 伸興 大分大学, 医学部, 教授 (20203630)
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キーワード | master方程式 / 非線形Fokker-Planck方程式 / DSKモデル / replicator 方程式 / 進化ゲーム |
研究概要 |
本研究課題のモデル方程式系の解は非常に発散しやすいことが,前年度の研究で判明していた.そのため解を直接評価して予想命題を証明することは困難であると予想された.そこで解の数理統計学的汎関数を用いて解の漸近挙動を数理統計学的に評価する新しい方法により予想命題の証明を試み,成功した.感染者密度関数を直接評価せず,それらの数理統計学的汎関数を計算したのが,証明成功の要因であった.その結果を用いて,元の感染者密度関数を数理統計学的に評価し,数理統計学的情報通信理論で成功した次のような手法で証明することができた.(ア) 感染者密度関数の数理統計学的汎関数(感染拡大のcapacity,感染係数のentropy,感染者密度関数の地理的bias指数)を計算する.(イ) 数理統計学的情報通信理論を(ア)で求めた数理統計学的汎関数に適用し,元の感染者密度関数を数理統計学的に評価する.(ウ) (イ)で求めた数理統計学的評価を用いて予想命題を証明する.ここで計算する数理統計学的汎関数は,master方程式や非線形Fokker-Planck方程式と高い親和性を有し,それらの解の特異性を和らげる効果を持つことが,前年度の研究で知られており発散の困難を回避できると予想していたが,その通りに発散の困難を回避することができた.得られた結果は平成26年度中に論文としてまとめる予定である.また得られた結果はDSKモデル(Dixit-Stiglitz-Krugman model)とreplicator 方程式の連立系で表現される進化ゲームへの応用が可能であることが判明しているので,当該進化ゲームの数値計算を遂行する準備を完了することができた.これらの結果は1編の学術論文と2冊の著書の分担執筆によって発表することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の5つの理由から上記区分に該当していると判断できる.1.本研究計画最大の懸案事項であった予想命題の証明に成功している.2.感染者密度関数を直接評価せず,それらの数理統計学的汎関数の計算に成功した.3.26年度中に論文としてまとめる目処が立った.4.得られた結果はDSKモデルとreplicator 方程式の連立系へも応用が可能であることが判明している.5.得られた結果はDSKモデル(Dixit-Stiglitz-Krugman model)とreplicator 方程式の連立系で表現される進化ゲームへの応用が可能であることが判明しているので,当該進化ゲームの数値計算を遂行する準備を完了することができた.さらにこれらの結果は1編の学術論文と2冊の著書の分担執筆によって発表することができた.特に学術論文を投稿したNonlinear Analysis Series B: Real World Applications は応用数学と数理モデリングでは国際的にも最高レベルの学術雑誌であり,得られた結果が優れたものであることを示している.また分担執筆著書を刊行したNova Science Publishers, Inc. は数理科学関係の学術書の出版で定評がある出版社である.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の目的は数値シミュレーションである.構築したモデルを用いて数値シミュレーションを行い今後10年間のウイルスの感染拡大を予測することである.これが本研究課題の最終目標でもあるので,そのシミュレーションに寄与する(数値計算を劇的に効率化する)DSKモデル(Dixit-Stiglitz-Krugman model)とreplicator 方程式の連立系への応用のためのアルゴリズムの構築と実際のシミュレーションの実行に全力を傾ける.また得られた結果はDSKモデルとreplicator 方程式の連立系で表現される進化ゲームへの応用が可能であることが判明しているので,当該進化ゲームの数値計算を遂行する.得られた結果は平成26年度中に論文としてまとめる予定である.特にこの結果は重要なので,平成25年度と同様に,Nonlinear Analysis Series B: Real World Applications に論文として投稿する予定である.また一部はNova Science Publishers, Inc. から著書として出版する予定である.
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