研究課題/領域番号 |
24540139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
栗木 進二 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00167389)
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研究分担者 |
藤原 良叔 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (30165443)
神保 雅一 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50103049)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 統計数学 / 実験計画法 / 構成法 / ネステッド構造 / 分割型実験 / 2因子実験 / コントロール / テスト処理 |
研究概要 |
2つの因子 A, B(たとえば,小麦の品種と肥料)があり,それぞれの処理には,コントロール,すなわち,標準的な処理(たとえば,従来から評価され,市場に流通している小麦の品種)とテスト処理(新しく開発された小麦の品種)がある.実験条件のほぼ同じである大きな区画(ブロックという)がいくつかあり,各ブロックは p 行 q 列に分割され(その分割された区画を whole-plot という),各 whole-plot は s 個の小区画(subplot という)に分割されている.因子 A の処理を whole-plot に,因子 B の処理を subplot に割り付け,2因子実験を行い,因子 A,因子 B の主効果,交互作用効果を比較し,各因子のどの処理に効果があるか,また,2つの因子のどの処理組合せに効果があるか,特に,コントロールとテスト処理の効果について調べることが目的である.このような2因子実験は農事試験等に有用であり,コントロールをもつネステッド分割型2因子実験という.今年度は,因子 A,因子 B のコントロールが1つの場合を考え,whole-plot 処理に関する計画,subplot 処理に関する計画に,コントロールをそれぞれ付加し,その付加された whole-plot 処理に関する計画に subplot 処理に関する計画をクロネッカー積で埋め込むことによって,コントロールをもつネステッド分割型2因子実験を構成し,その多重層解析における層効率因子,標準対比を与えた.Whole-plot 処理に関する計画として Youden square 等,subplot 処理に関する計画として一般的な計画を用いたが,今後の研究課題として,whole-plot 処理に関する計画としてどのような一般的な計画を用いることができるかについての考察が挙げられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Whole-plot 処理のテスト処理に関する計画として Youden square, BIBDs with nested rows and columns, cyclic designs,subplot 処理のテスト処理に関する計画として一般的な計画を用い,これらの計画にコントロールを付加することによって,コントロールをもつネステッド分割型2因子実験を構成し,その統計的性質を明らかにすることができた.
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今後の研究の推進方策 |
次年度には,因子 A,因子 B のコントロールが複数の場合を考察することになるが,今年度に得られた結果が生かされるものと考えている.ただ,whole-plot 処理のテスト処理に関する計画に複数のコントロールを付加する方法は多様に考えられ,関係研究者との緊密な研究打合せによって,十分議論し,対応する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度には,研究成果を徐々に論文としてまとめ始める予定である.また,国内および海外での国際会議で報告し,関係研究者との緊密な研究打合せを行う予定である.
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