研究課題/領域番号 |
24540139
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
栗木 進二 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00167389)
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研究分担者 |
藤原 良叔 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (30165443)
神保 雅一 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50103049)
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キーワード | 統計数学 / 実験計画法 / 構成法 / ネステッド構造 / 分割型実験 / 2因子実験 / コントロール / テスト処理 |
研究概要 |
2つの因子 A, B(たとえば,小麦の品種と肥料)があり,それぞれの処理には,コントロール,すなわち,標準的な処理(たとえば,従来から評価され,市場に流通している小麦の品種)とテスト処理(新しく開発された小麦の品種)がある.実験条件のほぼ同じである大きな区画(ブロックという)がいくつかあり,各ブロックは p 行 q 列に分割され(その分割された区画を whole-plot という),各 whole-plot は s 個の小区画(subplot という)に分割されている.因子 A の処理を whole-plot に割り付け,因子 B の処理を subplot に割り付けて,2因子実験を行い,因子 A,因子 B の主効果,交互作用効果を比較し,各因子のどの処理に効果があるか,また,2つの因子のどの処理組合せに効果があるか,特に,コントロールとテスト処理の効果について調べることが目的であり,このような2因子実験をコントロールをもつネステッド分割型2因子実験という.今年度は,因子 A,因子 B のコントロールが複数個の場合について,whole-plot 処理,subplot 処理に関する計画の行あるいは列としてコントロールを付加し,そのコントロールを付加された whole-plot 処理に関する計画に subplot 処理に関する計画をクロネッカー積で埋め込むことにより,コントロールをもつネステッド分割型2因子実験を構成し,その多重層解析における層効率因子,標準対比を与えた.Whole-plot 処理のテスト処理に関する計画に複数のコントロールを付加する場合には多様な方法が考えられるが,より効率的なコントロールを付加する方法の提案が今後の研究課題として挙げられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Whole-plot 処理のテスト処理に関する計画として Youden square, generalized Youden design, BIBDs with nested rows and columns, bottom stratum universally optimum nested row and column design, cyclic design,subplot 処理のテスト処理に関する計画として一般的な計画を用い,これらの計画にコントロールを付加することによって,コントロールをもつネステッド分割型2因子実験を構成し,その統計的性質を明らかにすることができた.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究課題の最終年度であり,研究成果を論文としてまとめる予定である.また,国内および海外での国際会議で報告し,関係研究者との緊密な研究打合せを行う予定である.
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