研究実績の概要 |
2つの因子 A, B(たとえば,小麦の品種と肥料)があり,それぞれの処理には,コントロール,すなわち,標準的な処理(たとえば,従来から評価され,市場に流通している小麦の品種)とテスト処理(新しく開発された小麦の品種)がある.実験条件のほぼ同じである大きな区画(ブロックという)がいくつかあり,各ブロックは p 行 q 列に分割され(その分割された区画を whole-plot という),各 whole-plot は s 個の小区画(subplot という)に分割されている.因子 A の処理を whole-plot に割り付け,因子 B の処理を subplot に割り付けて,2因子実験を行い,因子 A,因子 B の主効果,交互作用効果を比較し,各因子のどの処理に効果があるか,また,2つの因子のどの処理組合せに効果があるか,特に,コントロールとテスト処理の効果について調べることが目的であり,このような2因子実験をコントロールをもつネステッド分割型2因子実験という.Whole-plot 処理に関する計画,subplot 処理に関する計画に,コントロールを付加し,whole-plot 処理に関する計画に subplot 処理に関する計画をクロネッカー積で埋め込むことによって,コントロールをもつネステッド分割型2因子実験を構成し,その多重層解析における層効率因子,標準対比を与えた.Whole-plot 処理に関する計画として Latin square, Youden square 等,subplot 処理に関する計画として一般的な計画を用いた.コントロールの付加については,whole-plot 処理に関する計画に対して,その計画の行としてコントロールを同数回ずつ付加し,あるいは,各行,各列にコントロールを同数回ずつ付加した.
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