研究概要 |
2012年度は 2編の論文を発表した。 1つは 金融工学・保険数理への確率論の応用で Discrete stochastic calculus and its applications, Adv. Math.Econ. 16, 119-131( 2012) with Ishimura, N. and Kawai, N.である。 研究代表者が前に構築した離散確率解析の理論を金融工学・保険数理とくに離散HJB方程式とその具体解の導出に応用した。 さらに マルグレーブオプションのプライシングにも適用した。2つ目は 確率論の数論への応用でSpecial Values of the Hurwitz zeta function via generalized Cauchy variables,Kyoto Journal of Mathematics, Vol. 52, No. 3, 465-478(2012) with Yano, Y.である。 本論文では 研究代表者が前から進めている確率論と数論の融合、とくに ゼータ関数論への応用をさらに推し進めて 一般化コーシー分布とフルビッツゼータ関数の関係について詳しく調べた。また一般化コーシー分布 の独立な$n$個の積の確率密度関数の具体的計算、コタンジェント関数とその一般化の部分分数展開への応用などについても研究を行った。本研究は 確率論の金融工学・保険数理などへの応用と、数論を始めとする純粋数学への応用の両方を視野に入れた研究であり研究遂行は問題ないものと思われる。
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