研究課題/領域番号 |
24540153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
高橋 勇人 統計数理研究所, 研究員 (50518959)
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研究分担者 |
釜江 哲朗 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (80047258)
梅野 健 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10358872)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際情報交換 フランス |
研究概要 |
研究代表者の高橋は全体の統括およびアルゴリズム乱数の理論的な研究をした.特にSteinhauseの定理のアナロジーとしてアルゴリズム乱数の部分列による特徴付けの研究を行った.またBlind-randomness(Hippocratic randomness)を用いて条件付き確率がパラメータに関して計算可能でない場合の乱数の定義をし,Lambalgenの定理の一般化に成功した.条件付き確率に関する乱数の定義は確率論とアルゴリズム乱数の理論に於いて基本的な問題であり,本研究成果は極めて重要なものである.研究分担者の釜江は擬似乱数の生成と検定について研究した.特に0と1の任意の長さnの列a_1a_2...a_nに対して,そこに現われるブロックの出現頻度の均一性を数量的に表す量\Sigma(a_1a_2...a_n)を定義し,乱数性に基準として用いることを提案した.ブロックの頻度に基づく検定は乱数検定に於いて基本的なものであるがその中で本研究は非常にユニークで独創的である.研究分担者の梅野は釜江とは別の方法による乱数の検定について研究した.特に乱数及び擬似乱数検定評価で理論的に問題があった離散フーリエ変換に基づく検定方法自身の評価及び改良の提案を行った.具体的には2のべき乗の剰余環上の置換多項式及び原始根に基づくユニタリー変換に基づく検定方法を提案した.梅野の研究は既存の乱数検定を再評価するもので非常に重要なものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高橋による乱数の部分列に関する研究については結果を国際会議Seventh International Conference on Computability, Complexity and Randomnes (CCR 2012 Cambridge 2012年7月)で発表した.結果はまとめて論文誌に投稿中である.Lambalgenの定理の一般化と条件付き乱数に関する結果については結果を研究集会「エルゴード理論,情報理論,計算機科学とその周辺」大阪大学(2013年3月)にて発表した.また同じ結果を国際会議CCR 2013で発表予定.釜江はコイントッシングa_1a_2...a_nに対する上記の量をn*nで割ったもの,すなわち\Sigma(a_1a_2...a_n)/(n*n)がnを無限大に増やすとき3/2に確率1で収束することを示した.また,a_1a_2…がE.Borelの意味での正規数なら上記の量が3/2に収束することも示した.さらに,この性質をもつ無限列を作り出すアルゴリズムを考案し,乱数として用いることを提案した.梅野は得られた内容を日本応用数理学会(2013年3月)にて口頭発表した.また,q-Gauss分布に基づく乱数生成方法を提案し,同論文がIEEE Trans. Information Theoryに採録された.全体として研究は順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
条件付き確率が計算可能でない場合として従来は一様計算可能でない場合が知られていた.高橋は個別パラメータに関して相対的に条件付き確率が計算可能でない場合を考察するとともに相対化された意味での条件付き確率に関するMartin-Lof乱数とBlind-randomnessの一致性の証明を目標とする.釜江は今後の研究の推進方策としてコイントッシングa_1a_2…a_nに対する上記の量\Sigma(a_1a_2…a_n)の漸近正規性を示すとともに,この量を用いた乱数検定方式を提案を目標とする.さらに,この量とBenjamin Weissの意味でのPoisson randomnessとの関連を研究する.梅野は様々な擬似乱数、物理乱数を評価対象に、提案した乱数検定法(NIST SP 800-22の改良)で評価を行い検定方法の安定度、非乱数性の検定力の評価を目標とする.
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次年度の研究費の使用計画 |
梅野に配分した旅費の使用が当初の予定より少なかったがその分は梅野の今年度以降の旅費に使用する予定. 釜江に配分した分の次年度使用額については釜江の今年度以降の旅費に使用する予定. それ以外についての次年度使用額については今年度以降の物品の購入に使用する予定.
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