研究課題/領域番号 |
24540157
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
堀内 利郎 茨城大学, 理学部, 教授 (80157057)
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研究分担者 |
下村 勝孝 茨城大学, 理学部, 教授 (00201559)
大西 和榮 茨城大学, 理学部, 教授 (20078554)
中井 英一 茨城大学, 理学部, 教授 (60259900)
安藤 広 茨城大学, 理学部, 講師 (60292471)
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キーワード | CKN型不等式 / Hardy-Sobolevの 不等式 / Hardyの不等式の精密化 / スーパー対数関数 |
研究概要 |
今年度は、スーパー対数関数とCaffarelli-Kohn-Nirenberg 型不等式の最良定数の性質についての結果を中心にまとめた。主な成果は: (1)古典的な重み付きハーディーの不等式を第一世代のスーパー対数関数を効果的に用いて精密化したこと、(2)スーパー対数関数の主の性質をより深く研究すること、 (3)スーパー対数関数を係数に含む微分方程式の解を決定すること等である。 具体的には以下のような成果があった。(1)については、無限個の剰余項(ミッシング・ターム)を決定することで不等式を精密化し、適切なテスト関数を構成することによりそれらの最適性を証明した。これは重み付きハーディーの不等式の精密化に関してはほぼ最終的な結果であると考えられている。(2)については、第2世代以降のスーパー対数関数をすべて決定するアルゴリズムをまとめ、それらの関係をまとめた。(3)については、ミッシング・タームの決定問題との関連でポテンシャルにスーパー対数関数を含むような標準的な微分方程式の解法を研究した。 この研究の結果、スーパー対数関数の微分方程式の解としての特徴付けが可能であることが示された。上記の結果以外には、Caffarelli-Kohn-Nirenberg 型不等式の最良定数の定義空間指数pに関する連続性と対称性の破れの研究がなされた。前者については、p>1において連続性の証明がまとめられているが、p=1における連続性等の問題は来年度以降の課題となった。後者については、pがある程度大きい場合には対称性の破れが起こることが定量的に示されたが、pが1に近い場合の結果にはまだ研究する余地が残っている。 以上が本年度の主な成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、スーパー対数関数についての結果をまとめたことと、その応用そして重み付きハーディーの不等式が無限個のmissing terms を持つことを示し不等式自体をほぼ最終的な形に精密化した点で、おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
スーパー対数関数についての研究では基礎的部分はほぼ完成しているので、その応用を試みたい。具体的には種々の積分型の不等式の精密化と楕円型偏微分方程式及び変分問題の解法への応用が考察される予定である。 Caffarelli-Kohn-Nirenberg 型不等式の研究では、p=1の場合が未解決である。この問題は等周問題や重み付きBV空間等へ応用があり重要であるので、まず最良定数の定義空間指数pに関する連続性をp=1の場合を含めて証明することから始める予定である。その後、Caffarelli-Kohn-Nirenberg 型不等式の種々の性質を詳しく考察したい。解の対称性の破れの研究ついても同様である。
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次年度の研究費の使用計画 |
諸般の事情で予定していた海外出張が延期されたこと。 コンピュータのアップデートが時期の関係で見送られたこと。 今年度は昨年度延期された海外出張とその他の出張(ICMを含む)が予定されている。 また延期されていたコンピュータのアップデートを行う予定である。
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