ヒルベルト空間上の半閉作用素の集合を距離を用いた位相解析的考察を行うことで、その特性を活かした研究が行なわれた。成果としては、自己共役作用素の集合は半閉な対称作用素の集合において相対的に開であることを示し、それに伴う自己共役作用素を中心とする開球(近傍)の半径を具体的に数値で与えた。このことから、ラプラシアンを中心としてこの半径内にある半閉な対称作用素は自動的に自己共役になることがわかる。また、応用として、Kato-Rellich ポテンシャルを備えたシュレーディンガー作用素の自己共役性に関する既存の定理(Kato-Rellich の定理)を、位相解析的な視点による別証明を与えた。
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