研究課題/領域番号 |
24540164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
泉池 敬司 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80120963)
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研究分担者 |
大野 修一 日本工業大学, 工学部, 准教授 (20265367)
羽鳥 理 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70156363)
泉池 耕平 山口大学, 教育学部, 講師 (90451434)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流:フィンランド / 国際情報交換:中国 / 国際情報交換:韓国 |
研究概要 |
H∞の研究において、解析構造が入る部分に共通ゼロ点をもつ閉イデアルの構造の研究は、泉池(佑)との共同研究でかなり進展してきた。その研究を基にして、その閉イデアルが可算個の関数で生成されるとき、たった2個の関数で生成されることを証明した。また、H∞の極大イデアル空間において、非解析的集合およびQC-レベル集合は、集合の列に関してかなり強い性質の保存性があることを証明した。 2変数のハーデイ空間においては、ルージン型の(逆向き)不変部分空間Mのランクの決定問題に取り組んだ。今まではブラシュケ積の列により生成されるMの研究であったが、一般の内部関数の列により生成される(逆向き)不変部分空間のランクを決定する手掛かりが得られた。特に、ルージン型の逆向き不変部分空間のランクを決定できた(泉池(耕)、泉池(佑)との共同研究)。また、クロス交換子に関する残された問題に対する研究を進めることができた(泉池(耕)との共同研究)。ワンダリング部分空間に対するボイルリング型の定理に関しては、一連の研究をまとめることができた。 H∞上の荷重合成作用素の空間において、作用素ノルムに対する弧状連結成分を決定 した。その上、本質ノルムに対する弧状連結成分を決定できた(大野氏、泉池(佑)との共同研究)。H∞上の荷重合成作用素の弧状連結成分問題は完全に解決されたことになる。また、COP空間上において、荷重合成作用素の和がコンパクトになるときの特徴付けを与えることができた(泉池(耕)、泉池(佑)との共同研究)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
H∞の研究において、解析構造が入る部分に共通ゼロ点をもつ閉イデアルの構造の研究は、泉池(佑)との共同研究でかなり進展してきた。その研究を基にして、その閉イデアルが可算個の関数で生成されるとき、たった2個の関数で生成されることを証明し、その論文は Trans. Amer. Math. Soc. に採録が決定されている。 2変数のハーデイ空間においては、一般の内部関数の列により生成されるルージン型の逆向き不変部分空間のランクを決定でき、その論文は Math. Z. に採録が決定されている。この結果、一般化したルージン型の逆向き不変部分空間ランクの決定問題に対する手掛かりが得られた。 H∞上の荷重合成作用素の空間において、作用素ノルムに対する弧状連結成分を決定 した(Trans. Amer. Math. Soc. に掲載予定)。その上、本質ノルムに対する弧状連結成分を決定できた(Houston J. Math. に掲載予定)。H∞上の荷重合成作用素の弧状連結成分問題は完全に解決されたことになる。 主な理由は、本研究の目的の1つであるH∞上の荷重合成作用素が決定できたこと、一般化したルージン型の逆向き不変部分空間ランクの決定問題について大きな進展が得られたことである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題で今年度残されているものは、次の3つである。 1)H∞の研究において、ダグラス環の閉イデアルの構造の研究に一般化することである。 2)2変数のハーデイ空間においては、一般化されたルージン型の逆向き不変部分空間のランクの決定することである。そしてそれとヒルベルトーシュミット型の不変部分空間との関係を明らかにすることである。 3)荷重合成作用素の空間においては、デスク環、QA空間上の作用素ノルムに対する弧状連結成分および本質ノルムに対する弧状連結成分を決定することである。また、強作用素位相による弧状連結成分を決定することである。 研究の進め方については、研究打ち合わせと研究結果の口頭発表のための旅費に使用する。2)について、瀬戸氏(島根大)、泉池(耕)(山口大)と研究打ち合わせを行う。3)については、大野氏(日本工大)、細川氏植木氏(茨城大)と主に研究打ち合わせを行う。また国外の研究者を招へいするため、国外出張をするために旅費を使う。事務用品、通信費など消耗品の予算を増やしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が約35万円ある。この金額は国外の研究者を招へいするために予定した額である。研究代表者(泉池)が退職年次であったことおよび招へい予定者との日程の調整がうまくできなく未使用額として残った(校費分に相当する)。今年度にこの枠を使って国外の研究者を招へいする。本年度以降に請求する研究費は予定通りの計画で使用する。
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