昨年度、変数係数の高階放物型方程式に対応し、一般的な汎関数を被積分汎関数としてもつ相空間経路積分の時間分割近似法が位置経路の終点と運動量経路の始点に関して広義一様収束する汎関数のクラスを構成したが、この汎関数のクラスを、より一般的な高階放物型方程式の基本解を相空間経路積分の形で表現できるような基本的な汎関数の例を含み、しかも和と積の演算に関して閉じるように、汎関数のクラスの定義を調整した。さらに、この相空間経路積分において、相空間経路積分と時間に関する積分の順序交換、相空間経路積分と極限との順序交換など、不確定性原理があるため注意が必要であるが、積分に累次した性質を証明した。 1.上記の結果は、Bulletin des Sciences Mathematiquesで受理され、11月6日からweb上で公開、現在、印刷中である(下記)。 2.京都大学数理解析研究所の講究録で、シュレディンガー方程式に対応する相空間経路積分の経路空間上の解析としての理論について、日本語の概説を出版した(下記)。 3.京都大学数理解析研究所で10月7日~10月10日に、経路積分の入門的研究集会として、RIMS Joint Research「Introductory Workshop on Path Integrals and Pseudo-differential Operators」を研究代表者として実施した。 4.口頭発表として、10月10日京都大学数理解析研究所の2.のRIMS Joint Research(下記)、1月17日英国のImperial College Londonでの研究集会「Microlcal Day#5」、1月24日東京理科大学の「Workshop on Analysis in Kagurazuka」、2月10日ドイツのポツダム大学で国際ワークショップ「Geometric and Singular Analysis」(下記)で発表した。
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