研究概要 |
当該年度において、以下の3つの研究を並行して行った。 1. ホモクリニック軌道が生成するレゾナンスの虚部の下からの評価を、双曲型不動点が等方的な場合と非等方的な場合に分けて研究した。双曲型不動点が非等方的であるか、またはその不動点に付随する安定多様体と不安定多様体が横断的に交わる場合はレゾナンスの虚部は準古典パラメータ h のオーダーで、それ以外の場合は、 h/log h のオーダーであることを示した。(J.-F.Bony, T.Ramond, M.Zerzeriとの共同研究)2. シュタルク効果をもつシュレディンガー作用素のスペクトルシフト関数が、非捕捉条件のもとに準古典パラメータに関して完全な漸近展開をもつことを示した。この研究において重要なのは、時間に依存しない方法を初めて用いたことである。この方法は、従来難しいとされてきた連立のシュレディンガー方程式のスペクトルシフト関数の解析にも用いることができる。(M.Dimassiとの共同研究)3. 一次元連立のシュレディンガー方程式のエネルギー交差レベルでのレゾナンスの量子化条件を求め、特に虚部の漸近挙動を調べた。連立2階であるために、通常の複素WKB法が使えないとことに難しさがある。レゾナンスの虚部はhの5/3のオーダーであると予想している。この研究は現在進行中である。(A.Martinez, T.Watanabe との共同研究) 一方で、以下の2つの研究集会を開催した。1. Himeji Conference on Partial Differential Equations 2013/2/22,23 2. Lectures on Semi-Classical Analysis 2012/10/26,27,28
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