研究課題
前年度までの研究で,MRA理論に基づく一般の直交スケーリング関数と直交ウェーブレット関数のペア及び双直交スケーリング関数と双直交ウェーブレット関数のペアにおいて,平行移動の一種の変形であるユニタリ作用素の族を定義し,これをスケーリング関数に作用させたものと,ヒルベルト変換の拡張である分数べきヒルベルト変換(fractional Hilbert transform)をウェーブレット関数に作用させたものとが,再びスケーリング関数とウェーブレット関数の自然な対応をなすこと,およびこれらの作用素を作用させたものの局在性について,証明を完成させていたが,これらをもとにしたN分木離散ウェーブレット変換への応用を進めた.これには,連携研究者である守本晃氏の研究室の大学院生の応援も一部得た.研究成果は,守本晃氏がラスベガスで開かれた国際会議で口頭発表し,プロシーディングスに5名共著で論文を発表した.信号源分離についても,双直交の場合のスケーリング関数とウェーブレット関数のヒルベルトペアを元にした N分木離散ウェーブレット変換を使って,平行移動を含んだ混合画像の場合について,昨年度の研究を進めた.研究成果は,連携研究者の守本晃氏が中国の広州で開かれた国際会議で口頭発表し,プロシーディングスに3名共著で論文を発表した.また,これに関連して,一般の信号の瞬間振幅についての新たな不等式が得られ,周波数帯が狭い場合に瞬間振幅(解析信号の絶対値)が元の信号の粗い変動を表すことの数学的基礎づけの1つが得られた.これについては台湾で行われた国際会議で萬代が発表し,それに基づいた論文が掲載される予定(掲載決定)である.
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INFORMATION, Special Issue for Information'2015
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Current Trends in Analysis and Its Applications: Proceedings of the 9th ISAAC Congress, Krakow 2013,Birkhauser
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