研究課題/領域番号 |
24540199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工 |
研究代表者 |
渡邉 宏太郎 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 准教授 (30546057)
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研究分担者 |
亀高 惟倫 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (00047218)
塩路 直樹 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50215943)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 該当なし |
研究概要 |
(1)微分幾何学的手法の導入によるGidas-Ni-Nirenberg理論の適用範囲の拡張および (2)関数の対称化によるソボレフ型不等式の精密化とp-ラプラス作用素を含む半分線形方程式の非自明解の存在のためのリャプノフ型不等式の導出について研究計画を立案したが, (1)については,2次元へノン方程式のモード解の個数の精密な評価についての応用に進展した.方法としては,あるモード以上のモード解は拡張された移動平面法により,必然的に球対称となってしまうことを示すことによっている.この結果については,日本数学会2012年度秋季総合分科会で発表を行い,学術専門誌に受理された.関連する結果として球面上でのBrezis-Nirenberg問題を考察し,その正値球対称解の一意性についても結果を得ている.こちらの方法としては,Pohozaev恒等式の一般化を行うものであり,調和ポテンシャルをもつ非線形シュレディンガー方程式の球対称定在波解の一意性および解の非存在条件への応用等があることがわかった. (2)については,境界条件が固定端-自由端である2M階常微分方程式の解の存在のための必要条件であるLyapunov不等式を得ることができた.この結果は,境界条件が固定端-自由端となっているM位のSobolev-Hilbert空間の部分空間におけるSobolev不等式の最良定数を求めることにより得られる.このSobolev不等式についてLp版を構成し,その最良定数も求めることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微分幾何学的手法の導入によるGidas-Ni-Nirenberg理論の拡張について検討を行った副産物としてPohozaev恒等式の一般化についての結果とある種の非線形楕円型方程式の正値球対称解の一意性についての結果を得ることができた.Gidas-Ni-Nirenberg理論の拡張では球面上での移動平面法(移動測地面法)を行うことが,その拡張の基本となるが,球面上のBrezis-Nirenberg方程式も同種の方程式であるため,同時にその考察を行ったことが結果が得られた要因であったと思われる.この方法は,球面上のBrezis-Nirenberg方程式だけでなく,松隈方程式,スカラーフィールド方程式,調和ポテンシャルをもつ非線形シュレディンガー方程式の正値球対称解についても応用可能であることがわかってきている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
(1)の課題については,3次元以上のへノン方程式のモード解の存在条件への応用等を模索して行く.また,双曲空間でのBrezis-Nirenberg方程式への一般化Pohozaev恒等式の適用など関連する問題についても研究を進めたいと考えている. (2)の課題についてはLpソボレフ不等式の最良定数について残されている問題,(両端がDirichlet-Dirichletの場合など)について解決策を探索して行くとともに,p-ラプラス作用素を含む半分線形方程式の解の存在条件についての応用も探ってゆく.
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)の課題と関連したPohozaev不等式の一般化とその応用に関する研究では,特殊関数とその漸近挙動を調べることが不可欠となっている.そのため数式処理システムを最新のものにしておきたい.数式処理システムを稼働するための計算機システムについてもリプレースを計画している.また,国内の学会,国外での研究集会での成果報告にノート型計算機を購入し使用したいと考えている.
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