以下三つの研究課題に取り組んだ。(1) 非線形波動方程式の解の存在定理、(2) 線形シュレディンガー方程式の解の制限定理、(3) 実解析空間論。これらそれぞれについて。(1) ディラック・クライン・ゴルドン方程式系やチャーン・サイモンズ方程式系を空間一次元で取り扱い、初期値問題の適切性および非適切性を得た。条件によっては一部、適切性と非適切性の完全分類に成功した。また半相対論的波動方程式の初期値問題適切性を得た。(2) トレース定理の最良定数を与える関数のクラスを決定した。(3) ハーディの不等式に関する既存の結果より詳細な成立および不成立の条件を得た。
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