従属変数を含めて,すべての変数が離散的な値をとる「超離散可積分系」という特殊な離散的力学系を研究し,それらに適用できる新しい解法を発見した. 特に,厳密解が知られていない「超離散sine-Gordon方程式」という方程式を整数上で解くことに成功し,有名なKdV方程式の超離散版における初期値データに組合せ論的な解釈を加えることができた. さらに,超離散化前の段階における可積分系に対しては,高次元の離散可積分系の新しい構築法を開発し,低次元の離散的力学系の可積分性を見極めるための新しい判定法を提唱した.
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