研究実績の概要 |
ディン・庵原・三木代数は、ホップ代数の構造と2つの中心を持つ無限次元代数であり、W無限大代数、(q-)ビラソロ代数や(q-)W代数などをその特殊な場合として内包している。又、本研究代表者が国際共同研究で発見した様に、その相関関数は5次元超対称ヤンミルズ理論のネクラソフ分配関数と一致している。そのため最近非常に注目を集めている重要な代数である。本研究の最終年度には、この代数の解析を行ない以下の様な結果を得た。
ディン・庵原・三木代数のインタートワイナーを合成すると、代数の遮蔽演算子が得られることが分かった。その遮蔽演算を用いて構成される特異状態が代数の消滅演算子で消えるという条件から、相関関数のワード高橋恒等式、ループ方程式、量子スペクトル曲線とその正則性を導いた。又、それらの楕円化も行なった。
更に、インタートワイナーのブレイド関係式とシフト関係式を用い、ディン・庵原・三木代数のR行列や(qt)-KZ方程式を導出し、以下の論文にまとめた。 Hidetoshi Awata, Hiroaki Kanno, Andrei Mironov, Alexei Morozov, Andrey Morozov, Yusuke Ohkubo, Yegor Zenkevich,``(q,t)-KZ equation for Ding-Iohara-Miki algebra,''arXiv:1703.06084.
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