研究概要 |
本研究の目的は2つある:(1)多様体間の写像の conformality を測るテンソル量のノルムの積分を最小にすることにより、conformal maps に "最も近い" 写像を見つける. もっと一般に, この変分問題の停留写像 (C-stationary maps と呼ぶ) の性質を調べる. (2)上記の積分量の一部として, metrics の pullbacks のノルムの積分が現れるが, そのノルムの積分の停留写像 (symphonic maps と呼ぶ) の性質を調べる. ちなみに, metrics の pullback のトレースの積分の停留写像が harmonic maps である. 今年度は, 本研究課題の初年度として, symphonic maps に関して, 以下の2つの事柄について研究を行った:(1)symphonic maps の正則性について調べた. 4次元ユークリッド空間の部分領域から, n次元球面への symphonic maps のへルダー連続性の結果が得られた. (2)n次元球面の部分多様体を定義域あるいは値域とする安定な symphonic maps の性質についての研究を行っている. 現在進行中である. また, 本研究と関連して, biharmonic maps について研究を行っている. biharmonic maps についての Chen 予想の部分的解決の結果が得られている. さらに, 最近, Marques, F.C. と Neves, A. により, Willmore 予想が解決されたが, 技術的観点から本研究との関係があるので, 今年度末 (2013年2月) に Willmore 曲面の研究会を山口で開いた.
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は, 他大学の研究者との共同研究として進めている部分も多い. したがって, 研究費の多くは, 研究打ち合わせのための旅費と, 研究に必要な図書の購入に使用する. また, 次年度末には今年度末に引き続き, Willmore 曲面の研究会を開く予定であるので, 研究会開催のための費用を計上する.
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