研究成果の概要 |
楕円関数を用いて微分方程式のすべての候補となる解の表示式を求め,それをもとに大域的分岐構造を凝縮した超越方程式を導き解析するという,独自の手法を深化させさまざまに適用範囲を拡げることができた.cross-diffusion方程式については,空間1次元の場合の楕円関数による解表示から示唆を得た,空間多次元の場合の定常解の存在と安定性に関する結果を得た.線形化固有値問題については,Allen-Cahn型の反応拡散方程式の場合に,線形化固有値問題の固有値を決定する固有方程式を発見し,すべての固有値と固有関数の表示式を厳密に求めた. さらに,拡散係数が零に近づいたときの固有値の漸近公式も得た.
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