研究課題/領域番号 |
24540222
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
岡 宏枝 (國府 宏枝) 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
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キーワード | topology / data analysis / unstable invariant set / rigorous computation / regulatory network |
研究概要 |
これまで行って来た力学系の位相的・計算的方法で用いた手法をデータ解析に適用した.ここで取り上げたのは, circadian rhythmやホヤの胚形成のモデルとして,いくつかの遺伝子間の相互作用を常備分方程式で表現したregulatory networkであり,その漸近的な振る舞いは,最大の不変集合であるglobal attractor上の挙動を調べれば良いことになる.determining node(DN)とは,すべての変数(node)のうち,DNをみれば,全体の漸近挙動が分かるnodeのことであり,B.Fiedler, Mochizuki, Korosawaらは,ネットワーク構造を固定したとき,任意の常備分方程式に対してDNとなるのは,fiedback vertex set(FVS)と呼ばれるものと同じになることを示した.FVSはグラフの構造のみから決定され,例えば,circadian rythmのモデルの場合は元々21変数が7変数まで減らせることになる.実際の遺伝子発現のモデルとしては,ネットワーク構造は実験で調べられるが,常備分方程式系(力学系)を式としては与えるのは,困難である.実験データ(各変数の値)のみ与えれたときに,B.Fiedler, Mochizuki, Korosawaらの結果と同様の定理が得られるかどうかについて研究し.いくつかの結果とともに,mamalian circadian rhythmのモデルに対して,数値シミュレーションを行った.前年度から使用しているcmgraphを一部変更したコードで,実験を行い,式が既知として得られた(AUTO等により)不変集合と一致する結果を得ている.これらを3つの国内・国外の研究会で発表した.論文は現在執筆中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンピュータの購入について遅れている.3月に納品可能かどうか分からなかったため,次年度に繰り越したが, 3月4月,申請者は忙しく発注が遅れている.しかし,この期間に国内外の研究者との議論が進み,これからの方針や関連の研究については進展をみた.
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今後の研究の推進方策 |
・switching networkについて:regulatory networkであるが,各常備分方程式が,それぞれ,区分線形で,ある値を閾値として,定数のみが変化するようなnetworkを考え,その不変集合を決めるアルゴリズムとそれを連続な系に摂動しても,存続する一般論について,構想がまとまりつつある. ・上記のcircadian rhythmについてのいくつかのシミュレーションの追加.これは,ノードをFVSとは限定せずに選んだ場合との比較に必要となる. ・pertsitent topologyを用いていくつかの研究.例えば,流体の不安定周期解を調べる.
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年12月頃に発売されたコンピュータを購入予定であったが,見計らい段階で2013年度内に納品可能かどうか不確定であったため,2014年度4月以降に購入することにした.この間の研究は,現存のもので間に合うため研究自体の遅延はあまりないと思う. 出来るだけ早い時期に,コンピュータを購入する.
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