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太陽の周期的活動を表現する新しいモデルを構築した．従来のダイナモ・モデルでは，差動動回転による「Ω効果」が平均磁場の発展に重要な役割を果たすと考えられている．しかし一方で，乱流の発展では平均速度の非一様性はしばしば無視される．通常のダイナモ理論で乱流による起電力が平均磁場とその微係数の線形結合で表現されると仮定することに対応している．本研究では，乱流発展においても不均一平均速度を考慮し，直接的結果として乱流クロス・ヘリシティ（ゆらぎの速度＝磁場相関）を輸送係数として平均渦度に比例する効果を乱流起電力の表現に導き，平均磁場の発展を議論する．さらに，磁場反転に伴って速度＝磁場相関が反転することから，クロス・ヘリシティの発展は磁場反転と密接に関連する．クロス・ヘリシティの発展方程式を構成し，平均磁場と同時に解く．平均磁場は乱流クロス・ヘリシティに依存し，同時に後者は前者の配位に依存するため，平均場と乱流場の間の非線型ダイナミクスを解くことになる．簡単化したモデルの固有値解析を行い，平均磁場や乱流クロス・ヘリシティが平衡周期ダイナモ解をもつパラメータを求めた．(i) 乱流クロス・ヘリシティが最初に発展し，それに応じてトロイダル磁場が生成される；(ii) トロイダル磁場からアルファ効果によってポロイダル磁場が生成される；(iii) アルファ効果によるポロイダル磁場が元と逆符号のクロス・ヘリシティを生成しはじめ，クロス・ヘリシティの符号反転が起きる；(iv) トロイダル磁場の反転がクロス・ヘリシティの反転に続いて起きる；以上のような過程で磁場活動の周期的反転が生じる．
このように構築したモデルとその固有値解析の結果について，さまざまな太陽関連研究機関で講演するとともに，欧州地球科学連合総会（2015年4月ウィーン）などで発表した．研究成果をまとめた論文が近日中に投稿される．
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