研究課題
赤方偏移が約1.4(90億光年)に存在する星形成銀河のALMAによる分子ガス観測の結果がほぼまとまった。最終年度には、スタッキング解析以外に個別の銀河での弱い分子輝線検出アルゴリズムを考案し、個別にも約半数の銀河で輝線が検出されていることがわかった。銀河のガス量とその割合は近傍の星形成銀河でのそれらに比べて有意に大きく、またガスの割合は星質量あるいはガス金属量と共に減ること等がわかった。また、これらの結果を銀河化学進化モデルと比較し、ガス流入と星形成によるガス消費、ガス流出が釣合ういわゆる平衡モデルに近い状態であることが分かった。これらの結果は、国際研究会等で複数の発表を行い、現在論文執筆中である。また、この研究対象の銀河の一つについては、クランプ構造が発見されたのでその追及観測を電波(VLA)及び近赤外(GEMINI)で行なったが、データの質が悪く明確な結果は得られなかった。引き続き追求観測を行ないたい。また、serendipitous sourcesの性質を調べた結果は論文として投稿中である。野辺山宇宙電波観測所45m鏡を用いて同じ時代の星形成銀河におけるガス・ダスト比の研究も進めてきたが、さらにサンプル数を増やすことができた。昨年度の結果と共に、これまでに得られてきた結果を確認することができ、ガス・ダスト比の宇宙論的進化は宇宙の早い時期に既にかなり進んでいたことが示唆されている。現在論文執筆中である。銀河形態の研究については、結果を論文発表できた。その他、すばる望遠鏡による観測から、赤方偏移1.4付近の星形成銀河における金属量と星質量等が平衡モデルの化学進化モデルと合致すること、またそのガス流入・流出の宇宙論的進化を描き出せたこと、ガンマ線バーストの母銀河での分子ガス輝線の初検出ができたこと等多くの実りある結果が得られた。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (3件)
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