研究課題/領域番号 |
24540233
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
杉谷 光司 名古屋市立大学, その他の研究科, 教授 (80192615)
|
キーワード | 国際研究者交流 / 赤外線暗黒星雲 / 星間磁場 / 星間偏光 / 赤外線観測 |
研究概要 |
大質量形成領域として有名なM17分子雲の南東に位置し、大質量星がまだ形成されていない赤外線暗黒星雲M17SWexの近赤外線偏光観測データの予備的解析を前年度取得分について行ったところ、その周辺部での近赤外線偏光データが十分でな明らかになった。このため、南アフリカ天文台サザランド観測所IRSF1.4m望遠鏡と近赤外線3色同時偏光観測装置を用いて、平成25年度の7月中頃から8月始めにかけて前年度に引き続きこの天体の周辺部の近赤外線偏光観測を行った。さらに、ミリ波・サブミリ波帯などで分子輝線やダスト連続波が既に観測されており比較研究の対象として適しており、この時期に観測が容易な銀河面第1象限にある赤外線暗黒星雲5天体の観測も行った。 平成26年3月末から4月始めにかけて行った観測では、赤外線暗黒星雲としてミリ波・サブミリ波帯などでよく研究されている天体で銀河面の第4象限にあるためにこの時期でないと観測が容易でない2天体を観測した。合わせて、偏光観測データの解析のために必要なパラメータである偏光角度補正角のキャリブレーションを行うため、偏光標準天体の観測も合わせて行った。 前年度までに既に観測が完了しているAquila Rift領域に存在する赤外線暗黒星雲Serpens South分子雲の磁場構造の解析を進めるとともに、野辺山電波観測所45m望遠鏡で得られたミリ波観測データとの比較研究にも参加した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、注目度が比較的高く他の観測が既にあるため比較研究がし易い天体を中心に観測する予定であった。前年度に観測を終了したと考えていた注目度が高いM17SWexの周辺部でデータが十分でないことが判明し、今年度さらに観測する必要が生じた。このため、この天体に観測時間を割く必要が生じたが、比較的に天候に恵まれて当初の目的天体は合計で7天体の観測ができた。このうちの半分は、複数視野の観測が必要でかなり観測時間を要する天体であった。
|
今後の研究の推進方策 |
引続き、注目度が比較的高く他の観測が既にあるため比較研究がし易い天体から観測を進め、観測サンプル数を増やしたいと考えている。これらの天体が観測できない時間帯や非常に観測が順調に行った場合には、既に観測がある赤外線暗黒星雲かどうかに係らず距離が近く見かけのサイズが大きいものから観測を進める予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成26年3月22日から4月6日の海外出張の費用は、出発日が当該年度(平成25年度)中なので当該年度分として処理する予定であった。しかしながら、出張期間が次年度(平成26年度)にまたがるため、事務的に次年度使用分として処理されることになった。 全額を平成26年3月22日から4月6日の海外出張の費用として使用する予定である。
|