研究課題
平成27年度は、新たな系内ブラックホール天体はどの衛星観測からも発見されなかったが、これまで開発してきた「突発天体発見システム」により、MAXI J1957+032 と MAXI J1501-026 の2天体を新たに発見した。MAXI J1957+032 は、3度に渡って活動期間が数日の短期間の増光を示し、X線や可視で追観測行われたが、依然、正体不明である。MAXI J1501-026 は 1 スキャンでのみ観測された軟X線天体で、Super Soft Source (超軟X線新星 SSS) の可能性があるが、Swift 衛星の XRT 検出器による追観測では検出されなかった。これらを含め、突発天体発見システムにより発見されたX線新星(新天体)の数は、通算で 6 つのブラックホール候補天体を含む 17 となる (本研究期間中ではそれぞれ 3 と 11)。上記の新天体を含め、本研究課題で目標とした微弱な突発天体が検出されるようになり、本年度、突発天体発見システムそのものと、同システムにより発見、検出された突発天体の特徴等をまとめ、論文発表した(受理済)。 また、INTEGRAL 国際会議に招待され、MAXI の成果のレビュー講演を行った。新天体ではないが、ブラックホール候補天体 V404 Cyg (GS 2023+338) の 26年ぶりの再活動を捉えて速報し、INTEGRAL 衛星をはじめとする一大追観測キャンペーンに貢献した。同天体のみならず、他にも多くのX線新星の再活動を捉えて報告しており、それらのデータを用いて、状態遷移や連星進化の研究を引き続き行っている。また、重力波検出の報告を受け、突発天体発見システムでの観測結果を重力波シンポジウム等で発表した。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Publications of the Astronomical society of Japan
巻: 68 ページ: 未定(17p)
10.1093/pasj/psw004
巻: 68 ページ: 未定(24p)
10.1093/pasj/psw016