超弦理論を用いて超対称性のないゲージ理論の性質を解明する研究を行った。主として行った研究は超対称性のないゲージ理論におけるS双対性と3次元ヤン・ミルズ・チャーン・サイモンズ(YMCS)理論のホログラフィック双対の研究である。前者については、相互作用が強く解析が困難なゲージ理論を相互作用が弱く解析が容易な別のゲージ理論と結びつける新しいS双対性を超弦理論のS双対性を用いることによって見出し、カラーの閉じ込めや対称性の自発的破れなどの現象を弱結合の物理を用いて理解できることを示した。後者については、YMCS理論にドメインウォールがある系を詳しく解析し、新種の相転移現象の発見などの成果があった。
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