研究課題/領域番号 |
24540262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
青山 茂義 新潟大学, 学術情報基盤機構, 准教授 (60311528)
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研究分担者 |
新井 好司 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (20374738)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 少数多体系 / 元素生成 / 核反応 / 核力第一原理計算 |
研究概要 |
平成24年度は、「第一原理核反応論を用いた三,四核子系の分析」が、主要テーマであるが、我々のグループで発見したd(d,γ)4He反応の天文学的S因子に対するテンソル力の大きな効果(Physical Review Letter誌で発表)の精査や、新たに、四核子系への複素座標スケーリング法(平成25年度計画)の適用を先行して行った。それらの成果は、中国の北京航空大学で開催された国際シンポジウムで発表(本経費を利用)した。現在、d(d,γ)4He反応の精査結果についての本論文作成を行っている。また、電磁遷移演算子の再検討を行い、高次補正の手計算を終了し、プログラム作成を行っている。また、手法等も密接に関連している課題として、三体、四体クラスター系の分析があるが、11Li核の分析を行い、日本物理学会の年会(広島大学)で報告を行った。 本年度は、初年度であるので、次年度以降にむけた5核子系の計算にむけたプログラム作成も主要課題の一つであった。これについても、本経費で購入したPC計算サーバ(分担者の新井)でのコード開発や、北海道大学のスーパーコンピュータ(利用料の一部は、本経費、年度後半よHPCIプロジェクトにより措置)での研究開発を行った。現在、基本コードの作成のいくつかは終了し、大規模数値計算に向けた高速化などの調整中である(HPCIプロジェクトとして、採択された。)。 以上のように、本研究は、順調に成果を出しつつ、進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、「第一原理核反応論を用いた三,四核子系の分析」が、主要テーマであるが、d(d,γ)4He反応の詳細な分析や、手法の拡張を行った。それらの成果は、中国の北京航空大学で開催された国際シンポジウムで発表した。また、現在、それらについて、論文作成を行っている所である。以上、今年度目標の物理的結果と成果発表は行ったが、最終的な論文発表にむけ、投稿準備を進めている。また、次年度以降に向けて、複素座標スケーリング法など、手法の拡張にも、成功した。この手法は、平成25年度計画としていたが、それに先行して、プログラム作成や、試験計算等を行った。クラスター物理は、三、四体系の主要適用範囲であるが、これらの分析も開始して成果をだし、学会発表を行った。 また、次年度以降の5核子系の計算にむけたプログラム作成も主要課題の一つであったが、順調にプログラム作成が進んでいる。現在、高速化にむけて、計算コードの修正・検討に入った所である。 以上、申請書の目的達成に向けて、概ね順調に進展しつつ、それに加えて、密接な関連データでも成果を出しつつあるのが、現状である。
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今後の研究の推進方策 |
4核子系の詳細な分析結果を本論文にして発表するのが、平成25年度の主要目標である。また、国際会議での成果発表をし、研究成果の国際的な宣伝も行う。当初予定(平成25年度)を早めて、プログラム作成をした複素座標スケーリングを用いて、4He核の励起状態の詳細な分析をする。5核子系については、最新のスパコンを用いたとしても、大規模数値計算になるため、計算アルゴリズムの再検討などを行い、研究期間内に成果を出すことを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
国際会議(ヨーロッパ少数多体系物理を予定)、及び、日本物理学会(分科会、高知)での成果発表を行う予定である。また、5核子系の分析は、大規模数値計算になるので、京コンピュータの互換機(FX10)が導入された九州大学情報基盤研究開発センターにおいて、計算コードの調整を行う。この計算機利用費に本経費を用いる。また、デバック用の既存計算サーバの高速。大容量化のため、CPUやメモリの更新費用に本経費を用いる。
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