超弦理論の非摂動論的定式化を与えると期待される行列模型を研究した。すでに臨界時刻より後にSO(9)対称性がSO(3)対称性に自発的に破れることを見出していたが、これは3+1次元の膨張する宇宙のダイナミカルな出現と解釈されうる。本研究では、早い時刻と後の時刻での膨張の様子を有効的に記述する模型をそれぞれ提案し、それぞれでの膨張の仕方が宇宙論で知られている膨張の仕方と合致することを示した。また、後の時刻では行列模型の古典解が支配的になることが予想されるが、ここでは古典解を系統的に調べ、宇宙項問題を自然に解決する解を見出した。さらに、標準模型がこの行列模型のなかで実現される機構を研究した。
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