研究概要 |
(1) HLS模型を用いたスキルム・クリスタルの解析:24年度に論文執筆を開始した解析が掲載されました。[Y.L.Ma et al., PRD88, 014016 (2013)]; 25年度は、この模型にスカラー中間子を加えた模型を構築し、スキルム・クリスタル手法を発展させました。そして、高密度領域のハーフ・スキルミオン相では、核子質量が密度に依存せず一定になることを見いだしました。(論文準備中) (2) ホログラフィック平均場理論を用いた解析:ボトムアップ型ホログラフィック模型を用いて、核子の有効質量がバリオン密度の増加に伴い減少すること等を示しました。[B.-R.He et al., PRD88, 095007 (2013)] (3) 有限密度非対称核物質中でのパイ中間子凝縮の探求:ホログラフィック模型にアイソスピン化学ポテンシャルを取り入れた解析を行い、パイ中間子凝縮の存在がカイラル対称性の破れを増強することを示しました。[H.Nishihara et al., PRD89, 076001 (2014)]; また、この模型に核子を加え、有限バリオン密度領域に拡張する研究を進めました。 (4) D中間子とD*中間子の核物質中での混合効果の解析:スピンとアイソスピンの相関が存在する核物質と相互作用する場合、チャームクォーク等の重いクォークを含む中間子系で、スピン・アイソスピンが異なる中間子間に混合が起こることを示しました。(論文投稿中) (5) グルーボールを含むホログラフィック模型の構築:グルーボールとクォーク・反クォーク型の中間子を含む模型の構築を進めました。
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