研究課題/領域番号 |
24540272
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
波場 直之 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (00293803)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ヒッグス粒子 / LHC・ILC実験での検証可能性 / 大統一理論 / ゲージ階層性問題 / 電弱相転移 / 強結合模型 / インヴァース・シーソー機構 / レプトジェネシス |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトの目的は、標準模型を超える新しい物理(BSM)の解明であり、従来おこなわれている手法とは新しいアプローチで BSM の探求をおこない、LHC・ILC実験でどの様に観測可能かを調査することであり、本年度は以下の成果を得た。 1.Higgs粒子の質量が約125GeVで発見されたことは、プランクスケール付近でヒッグス・ポテンシャルが消えることを示唆している。そのことと、ゲージ階層性問題を考慮すると、大統一理論のスケールもプランクスケールであることが自然だと思われる。そこで、3つのゲージ結合定数がプランクスケールで統一され、かつ、真空が安定に保たれ、ゲージ階層性問題が解決される模型を構築し、実験的制限を調査した。 更に、標準模型のゲージ群を拡張して、新しいU(1)を導入し、プランクスケールでヒッグス・ポテンシャルが消えて、量子効果で電弱相転移が起こる模型について、真空構造や実験的制限を調査した。 また、電弱相転移がボソノック・シーソー機構で実現される可能性について、量子効果で起きる模型と強結合のダイナミクスで起きる2つの模型を構築し、実験での制限を調査した。 更に、強結合セクターのダイナミクスを経由して電弱相転移が起きる可能性について、模型を構築し、宇宙論的制限を調査した。 2.インバース・シーソー機構が自然に実現される模型を考案した。そして、その場合、バリオン数生成機構として、レゾナント・レプトジェネシスが自然に機能することを示し、実験での観測可能性を調査した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画も順調に進み、更に、新しい研究プロジェクトも遂行できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も新しい実験データを随時考慮して、独創的なアプローチでBSMの探求に取り組み、LHC・ILC実験での検証可能性を調査する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アラバマ大学へ訪問し、岡田博士との共同研究を予定していたが、双方の都合があわず延期になったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
アラバマ大学の岡田博士との共同研究を遂行する。
|