研究課題/領域番号 |
24540280
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
橘 基 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30404122)
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
平成25年度は、研究題目「中間バリオン数密度領域での相構造の統一的解明と中性子星物理への応用」に基づく研究計画として掲げた研究内容のうち、以下の2点と、それとはまた新たにもう1点の成果を挙げることができた。 一つは前年度に挙げた成果である、ゲージ/重力対応を用いて得られた、中間バリオン数密度領域での核物質の状態方程式(equation of state)の中性子星への性質の解明への応用である。これは平成24年度に掲げていた目標のうち、未遂行であった課題であり、これについて中性子星の質量と半径の計算を行い、観測結果との比較を行った。 次に強い磁場の環境下での有限温度クォーク物質の性質、特にカイラル対称性に着目した研究を行った。これ自身は直接研究題目に基づく内容ではないが、有限バリオン数密度に拡張することは容易で、かつ中性子星内部における強磁場の生成と関係する重要な課題である。 最後に素粒子物理と核物理、天体物理にまたがる横断的課題として、中性子星における暗黒物質(dark matter)捕獲についての研究を行った。これは元々の研究計画には記載されていなかったが、申請者が中性子星についての研究を進めて行く中で、興味深い内容として注目した新たな課題である。これはイギリス・グラスゴーでの国際研究会Baryons2013において口頭発表され、その後プレプリントとして発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度に残された課題について遂行できた点、25年度に掲げた内容に関係する成果および、そこから新たに派生した研究内容について既に一定の成果が挙がっている点から、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
科学研究費のおかげで、前年度はさまざまな場所に赴き、国内外の研究者との研究交流、ひいては新たな研究計画を始めることができた。したがって今年度も同様に、研究交流による情報収集や研究打合せ、研究会や国際学会での研究発表が重要と考えており、それに要する費用や研究費を使用することを計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外からの研究者の招聘を予定していたが、日程的な都合がつかなかった。そのため次年度に繰り越しの使用額が生じる結果となった。 今年度は海外からの共同研究者の招聘を行いたいと計画している。その他、研究を進める上で必要な物品(計算機や書籍関係)を購入する計画がある。
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