中性子星は、その高い密度や強い磁場、高速回転などの特異な性質により、古くから多くの研究者の関心の対象となってきた。この天体の性質の理解は、超新星爆発のメカニズムや金などの重い元素の誕生、重力波の発生、高密度素粒子の状態の解明につながる重要テーマである。今回申請者は素粒子理論の立場からこの課題に取り組み、星の質量と半径を説明する方程式や、星の作る磁場とカイラル対称性とよばれる素粒子の性質の関係、さらには星に暗黒物質という未知の粒子が捕獲される現象などの研究を行い、これらの成果を国内外の研究会や論文雑誌、また一般講演などの機会に発表した。
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