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2016 年度 実績報告書

ブラックホールの観測的検証へ向けた光線および偏光の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24540282
研究機関大阪市立大学

研究代表者

石原 秀樹  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80183739)

研究分担者 古池 達彦  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (40286646)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワードブラックホール / コンパクト天体 / 重力レンズ / 一般相対論
研究実績の概要

宇宙においてブラックホール候補天体はたくさん発見されているが,事象の地平線をもつという意味のブラックホールを観測的に検証することは困難である.ブラックホール天体を観測的に検証するためには,一般相対論で記述されるブラックホール時空の周りで起こる物理現象を観測することであるが,ブラックホールの周りの特徴的な現象として,粒子の最内安定円軌道の存在や,光の束縛軌道の存在がある.
一般的なブラックホールであるKerrブラックホールは,定常軸対称性を表すキリングベクトルに加えて,キリングテンソルをもつので,粒子や光の測地線に沿って3つの保存量が存在するので,軌道を積分系の形で求めることができる.
この性質を用いてKerrブラックホールにおける光の束縛軌道を求め,その安定性を定量的に評価した.その結果,ブラックホールの撮像観測で期待される「ブラックホールの影」の周りに明るいリング状の明輪が形成され,その明るさの角度分布によってブラックホールの自転パラメーターが決定できることを明らかにした.特に,ブラックホールとして自転が最大となる,最大回転Kerrブラックホールでは,事象の地平面近傍に光の束縛軌道が存在し,その不安定さは著しく小さくなる.このため,光線束の断面が広がらず,周回した光が暗くならずに観測できる可能性がある.また,この光は,Kerrブラックホールの引きずり効果により,大きな重力的ファラデー効果を受け,偏光面が回転することが期待される.これらは,近い将来実現されるであろう,ブラックホールの観測に大きな示唆を与えると考えられる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Charged black strings in a five-dimensional Kasner universe2016

    • 著者名/発表者名
      Hideki Ishihara, Masashi Kimura, Ken Matsuno
    • 雑誌名

      Phys.Rev. D

      巻: 93 ページ: 024037

    • DOI

      https://doi.org/10.1103/PhysRevD.93.024037

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Black hole submerged in AdS2017

    • 著者名/発表者名
      石原秀樹, 松野皐月
    • 学会等名
      日本物理学会第72回年次大会
    • 発表場所
      大阪大学 豊中キャンパス (大阪府豊中市)
    • 年月日
      2017-03-17 – 2017-03-20
  • [学会発表] プラズマ中の密度波ソリトンによる荷電粒子加速2017

    • 著者名/発表者名
      松野研, 石原秀樹, 寺前柊斗, 高橋真聡
    • 学会等名
      日本物理学会第72回年次大会
    • 発表場所
      大阪大学 豊中キャンパス (大阪府豊中市)
    • 年月日
      2017-03-17 – 2017-03-20
  • [学会発表] Weak charge shielding effect in a symmetry broken phase in SU(2)×U(1) gauge theory2017

    • 著者名/発表者名
      小川達也, 石原秀樹
    • 学会等名
      日本物理学会第72回年次大会
    • 発表場所
      大阪大学 豊中キャンパス (大阪府豊中市)
    • 年月日
      2017-03-17 – 2017-03-20
  • [学会発表] Nambu-Goto strings with geometrical symmetry2016

    • 著者名/発表者名
      石原 秀樹
    • 学会等名
      26th Workshop on General Relativity and Gravitation in Japan
    • 発表場所
      大阪市立大学 杉本キャンパス (大阪府大阪市)
    • 年月日
      2016-10-24 – 2016-10-28
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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