研究課題/領域番号 |
24540284
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
初田 真知子 順天堂大学, 医学部, 教授 (10364887)
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研究分担者 |
田中 和廣 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70263671)
清 裕一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60571338)
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キーワード | 超弦理論 / デュアリティ / 一般化幾何 / 超対称性 / Mブレン / Dブレン / 超重力理論 / 国際情報交換 |
研究概要 |
研究課題「ヒッチンの一般化幾何と超弦理論」について、平成24年度研究計画にあげた超対称な一般化について、タイプII型超弦理論におけるDブレンとM2及びM5ブレンに対するクーラン括弧を導出して一般化された幾何の構造を与えた昨年度の仕事に加え、本年度は超空間を用いて明白な超対称性を保った上で重力理論を構築する仕事を行った。この方法では、これまで扱えなかったフェルミオンの自由度が、超対称性とデュアリティを明白に保つように導入された。つまり、アインシュタイン重力理論を越えた、超弦理論の低エネルギー有効重力理論のRamond・Ramondゲージ場を除いて、この方法で得られたということである。 平成26年度は、このRamond・Ramondゲージ場を含み、Sデュアリティを内包する理論の構築に取り組む予定である。 また、高エネルギー散乱QCDにおける散乱振幅の計算において、B中間子内クォーク・反クォーク・グルーオン三体成分の大きさをQCD和則を用いて計算し、可積分性との関連が期待されるカスプ異常次元の効果を考察する定式化を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在の所、平成24年度の計画を達成し、さらにそれを発展させた「デュアリティが明白な超空間」による超重力理論の構築という課題に取り組み、次の論文にまとめた;「 Superspace with manifest T-duality from type II superstring 」(論文1)、「M5 algebra and SO(5,5) duality 」を含めて○○編の論文が掲載された:「Journal of High Energy Physics」。学会講演や国際会議で○○回研究成果の発表を行った。現在、次のステップの計算に取り組んでいる。 一方、Tデュアリティと可積分性の関係は、ゲージ理論の散乱振幅とのデュアリティに現われるであろうと期待し、それはAdS/CFT対応で関係づく。平成25年度はこのAdS(アンチ・ドジッター)時空上の超弦理論の代数のTデュアリティ共変な再構築を前述の(論文1)で行った。 課題研究は、以上の通りおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、当初の計画であった一般化幾何を記述するクーラン括弧の構築、超対称化、可積分性との関係、AdS/CFT対応、ゲージ理論の散乱振幅やウィルソンループとの関係に加え、新たに進展した超空間を用いた超重力理論の構築に取り組んで行きたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者及び研究分担者が所属する順天堂大学さくらキャンパスにおいて、ネットワークの入替工事が2014年3月に行われるため、当初予定していたPC及びICT機器の購入は、ネットワーク及びキャンパスのICT環境が設定されてから互換性に問題のない機器を購入することとしたため。 次年度には、研究課題の遂行に使用するPCとICT機器の購入、そして研究打ち合わせと研究発表のための国内外の旅費等に使用する計画である。
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