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平成27年度はまず，基礎方程式が2階微分に保たれる最も一般的なスカラーテンソル理論であるホルンデスキ理論を拡張した理論において，宇宙進化と太陽系のような宇宙の局所領域での重力の強さについて議論した．研究代表者は，このような理論において，宇宙の大規模構造に関連する物質揺らぎの成長率が，観測と合うレベルで小さくすることができることを示した．さらに，模型によっては局所天体の中心において，曲率が発散することが起こることを示し，そのような発散が起こらないような模型の有効性についての条件を明らかにした．さらにそのような模型における宇宙進化について詳細に調べ，有効なパラメータ領域に制限を与えた．これらの模型は，ダークエネルギーの状態方程式や物質揺らぎの成長率などに特徴的な痕跡を残すため，一般相対論に基づく模型と選別が可能である．
さらに研究代表者は，ベクトル場を用いた修正重力理論を一般的に構築し，そのような理論に基づく宇宙論と宇宙の局所領域での第5の力の伝搬機構について調べた．そのような模型では，宇宙が後期加速膨張するような解がアトラクターであることを見い出し，ダークエネルギーの候補となり得ることを示した．さらに，理論にゴーストや不安定性が現れない条件について一般的に求め，具体的な模型において有効なパラメータ領域を明らかにした．また，宇宙の局所領域でも微分型のベクトル場の相互作用のために，重力実験と矛盾しないレベルで第5の力の伝搬が抑制されることを示した．
以上のような一連の理論研究は，宇宙の後期加速膨張の起源の解明に重要な示唆を与えたと言える．
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