研究課題/領域番号 |
24540287
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
千葉 剛 日本大学, 文理学部, 教授 (40324602)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 重力理論 / ダークエネルギー |
研究実績の概要 |
重力定数 G は、重力の強さを決める基本的な物理定数である。しかしながら近年、統一理論や重力理論の変更の可能性の観点から、その時間変化の可能性が考えられている。他の3つの相互作用(電磁気力、弱い力、強い力)と比べて、重力は極端に弱く、長距離・大質量の場合に効果が顕著になる力である。星や宇宙の構造・進化においては重力が決定的に重要な役割を果たす。素粒子の統一理論の有力候補である弦理論を含む変更された重力理論では一般的に重力定数が変化しうる。そこで、様々な観測による基本定数の時間変化への制限が理論構築・棄却に大きな役割を果たしうる。
本年度は、重力とnon-minimalに結合したスカラー場によるインフレーションモデルによって生成される重力波や密度揺らぎの性質について、このモデルに特徴的な性質を明らかにした。self-couplingのみを持つインフレーションモデルではnon-minimal couplingによって重力波の生成は抑えられ、観測と整合する傾向になる。将来の重力波観測によりnon-minimal couplingへの制限をつけられる可能性を指摘した。また、chaotic inlfation modelについて、tensor-scalar比と密度揺らぎのスペクトル指数およびスペクトル指数のrunningの間に関係式が成立することを示した。将来の精密な観測によりモデルを検証する可能性を指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
宇宙背景放射の揺らぎの計算に進展があったため。また、重力定数のみならず宇宙定数に関する研究にも進展があったため。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、宇宙物理学的観測量(とくに宇宙背景放射)を用いた物理定数の時間変化への制限をつけることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は出席を予定していた国際会議がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費および物品費等に使用する。
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