研究課題/領域番号 |
24540291
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
竹永 和典 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (50379294)
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研究分担者 |
宗 博人 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20196992)
山下 敏史 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90622671)
小島 健太郎 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20525456)
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キーワード | ゲージヒッグス統一機構 / 余剰次元 / ヒッグス / 対称性の破れ / 有限温度 |
研究概要 |
ゲージヒッグス統一機構が持つダイナミクスの解明の研究において、我々は「兼ね合いパラメーター」定義することで、5次元と4次元の物理がどのように低エネルギーでの物理量に寄与するのかを定量的に解析することに成功した。高次元ゲージ理論が本来、カットオフを持つ理論として定義されることを考えれば、4次元に出現する物理量に対してカットオフが持ちうる意味、および、その効果を明確にした点で意義は大変大きいと言える。特に、カルーザクラインモードの励起の寄与を明らかにしたことは重要な進歩であると言える。この研究成果は、査読付き学術雑誌、Physical Review Dに投稿し、掲載されている。 ゲージヒッグス統一理論を大統一理論の中で実現する模型の構築に関しては、境界条件の設定により、ダイナミカルなゼロモードを抜き出すことに成功している。そして、大統一理論のゲージ対称性の破れが、フリップト型の統一理論で実現できることを発見した。さらに、E_6ゲージ対称性が望ましいゲージ対称性、すなわち、標準理論のゲージ対称性に破れるための物質場の構成にも成功している。グリーンシュワルツ機構による不要なU(1)ゲージボゾンを取り除くことによるポテンシャルへの影響を考察すれば、論文投稿の準備に入れる段階にあると言える。 有限温度のゲージ理論におけるポリヤコフループと余剰次元のゲージ理論が持つウイルソンライン位相の類似性から、有限温度のゲージ理論で可能なオーダーパラメーターをきちんと考慮した有効ポテンシャルの計算を提唱した。そして、標準理論において新しい相構造の可能性について研究した。この研究成果は現在、査読付き学術論文に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲージヒッグス統一機構のダイナミクスを解明する研究では、研究成果を査読付き学術論文に投稿して、掲載されている。また、ゲージヒッグス統一機構を大統一理論の中で実現する模型の構築については、論文投稿まであと一歩のところまで来ている。さらに、ゲージヒッグス統一機構の応用として、有限温度でのゲージ理論の新しい相構造についての研究は、現在、論文を査読付き学術雑誌に投稿中である。以上により、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
ゲージヒッグス統一機構を大統一理論の中で実現する模型の構築については、グリーンシュワルツ機構による質量スペクトルへの補正を計算し、その補正による有効ポテンシャルへの影響を調べた後、計算の最終確認を行って、論文を投稿する予定である。また、ゲージヒッグス統一機構が持つダイナミクスの研究では、高次元ゲージ理論を厳密に扱うため、格子化された時空上で理論を定義し、考察したい。そして、我々が発見した「兼ね合いパラメーター」を通じた、ゲージヒッグス統一機構の非摂動的なダイナミクスの研究をしたい。特に、4次元と5次元の物理がどのような兼ね合いで低エネルギーの物理量に寄与しているのかに焦点を当てて研究をしたい。ゲージヒッグス統一機構の応用として、有限温度でのゲージ理論が持つ力学的な自由度を、実時間形式で明らかにすることが重要な課題であることを認識した。この方面の研究も推進したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画当初、当該年度の前半に国際会議での成果発表を予定していたが、研究の進捗状況、および、日程の都合で参加できなかったため、次年度使用額が生じた。 翌年度分に予定されている研究分担者との研究打ち合わせ旅費に、次年度使用額分を追加して、研究打ち合わせ回数を増やすことで研究を加速させる予定である。具体的な予定としては、愛媛大学での打ち合わせ(2日間)を1回分増加する、九州大学での打ち合わせ(2日間)を2回分増加する、愛知医科大学での打ち合わせ(2日間)を1回分増加する、を予定している。また、研究の進捗状況によっては、当初の研究計画にはなかった新たな研究会への参加も予定している。
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