本研究では量子スピンホール(QSH)効果と関連する種々のトポロジカル現象を広範囲に調査した。QSH絶縁体は回転磁場励起によりギャップの開いたエッジ状態を介してトポロジカルポンピングを可能とする。同時に誘起されるスピン流は逆QSH効果により励起領域外部に電気分極を形成する。トポロジカル絶縁体(TI)表面では面内磁化との交換結合はU(1)ゲージ場に等価であり、量子異常ホール(QAH)効果に起因して電荷誘導ならびに電気分極をもたらす。薄膜TIは非磁気的乱れにより普遍的にQSH状態に相転移する。この相転移は乱れの3次元性を考慮した有効モデルの枠組みで乱れによるバンド反転で説明される。
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