研究課題/領域番号 |
24540324
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
岩渕 修一 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (40294277)
|
研究分担者 |
若家 冨士男 大阪大学, 極限科学センター, 准教授 (60240454)
|
キーワード | 量子もつれ / メゾスコピック系の量子伝導現象 / アンデレーエフ反射 / クーロンブロッケイド |
研究概要 |
平成24年度に定式化した"交差Andreev反射とクーロンブロッケイドが共存する接合系から成る固体量子もつれ構造(SSE)における全種の電流を包括する非摂動論的な理論”に関して、当初目標である1)初年度定式化した理論を基に高速ワークステーションの使用による数値計算的詳細検討を継続して行う、2)初年度定式化した理論を量子相関の記述に資するようSchwinger-Keldysh法に基づく完全計数統計理論に拡張するを遂行した。ただし、2)についてはある種の近似の下での定式化であり、引き続き検討の余地を残している。また、3)新たな視点での実験的取組、については、理論的検討結果を見据えながら実験技術の確立も含めた基礎検討をすすめた。以上の取組は、国際会議発表6件、論文4編、投稿中の論文2編の形で情報発信している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」にあるように、当初目標の3つがほぼ達成されている。また、研究成果の発信も権威ある国際会議、権威ある論文誌に投稿するなど適切に進められている。
|
今後の研究の推進方策 |
26年度の目標は、これまでの2年間の成果を基にして、当初計画に沿って以下のように進める: ○Schwinger-Keldysh法に基づくFull Counting Statistics(FCS)への理論の拡張・展開を継続して行い、より一般的な理論として完成させるとともに、高速ワークステーションの使用による数値計算的検討を含めて量子相関の詳細検討の理論的枠組みの構築を完成する ○固体量子もつれ構造ともつれ情報取りだしに関する実験提案を行う 研究推進目標およびその方策については、遂行は必ずしも容易ではないものの大きな変更は今のところ考えていない。
|
次年度の研究費の使用計画 |
使用内訳の若干の変更とその額の変化に伴う差額の発生 次年度交付金と合わせ有効活用する
|