研究課題
2層系ν=1量子ホール状態は、巨視的なコヒーレンスを持つ擬スピンのX-Y モデルで記述され、半量子渦対の結合-乖離で引き起こされる2次元超流動転移であるKosterlitz-Thouless(K-T)転移が予想されている。本研究では、2層系ν=1 量子ホール状態におけるK-T 転移のダイナミクスや発現機構を、電気伝導測定やマイクロ波を用いて解明することである。本年度は、マイクロ波を用いてK-T転移のダイナミクスを解明するのに必要な核スピンダイナミクスを研究するための基礎技術として、抵抗検出型核磁気共鳴(NMR)を用い、層間核スピン拡散の実験を行い、解析を行った。また、核スピンダイナミクスを解明するのに必要な動的核スピン偏極(DNP)の基本的な特性を明らかにするために、DNP後の新奇な量子状態の測定やDNP電流の周波数依存性などを測定した。また、高移動度GaAs半導体にかわる新たな2次元電子系として、グラフェンが注目されているが、K-T 転移のダイナミクスをグラフェンの2層系試料で解明すべく、グラフェン試料の準備を行い、局在効果や分子吸着効果の測定などを行った。
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J. Phys.: Conf. Ser.
巻: 568 ページ: 052009
10.1088/1742-6596/568/5/052009
巻: 568 ページ: 042005
10.1088/1742-6596/568/4/042005
http://www.hyo-med.ac.jp/faculty/course/physics.html
http://www.topological-qp.jp/member/spmember.html