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2013 年度 実施状況報告書

放射光・核共鳴吸収を利用した元素選択的3D原子配列測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24540341
研究機関公益財団法人高輝度光科学研究センター

研究代表者

岡田 京子  公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (70399616)

キーワード核共鳴散乱 / ガンマ線ホログラム / 放射光 / ホログラフィー / 原子核 / 原子
研究概要

研究代表者はホログラフィー手法を応用した新たな3D原子配列測定法を研究する。この方法は、核共鳴散乱と放射光とホログラムを組み合わせた方法である。これは今迄の測定法とは異なり、原子の化学状態も明らかにする可能性があるという特徴を持つ。原子の化学状態が得られることから、物性の機能発現メカニズムの情報も明らかにできる可能性があると期待される。メスバウアー効果を利用した物性測定では、共鳴ガンマ線を共鳴吸収する原子核の状態と同時に、この原子核周辺の電子状態や、この原子に隣接する同種・異種原子の状態を明らかにできると期待される。結晶試料への入射ガンマ線の方位を走査して、メスバウアー効果により発生するX線の2次元強度分布を取得すればガンマ線ホログラムとなる。
この新たな3D原子配列測定法の樹立の為には、測定系を整備し、解析手法も確立する必要がある。研究代表者は既に57Feを使用して予備実験を行ったが、現有のシステムでは検出効率が低く、高精度のデータが取得できなかった。そこで、本研究では新たな測定システムの構築を行った。57Feを含む結晶試料にパルス状の放射光X線を照射し、試料を回転させながら、高速APD検出器でX線の強度変化を測定し、ホログラムを得た。その結果、放射光核共鳴散乱法を利用した、蛍光X線ホログラムとは別のパターンを持つガンマ線ホログラムの取得ができた。このガンマ線ホログラムには、ホログラム振動より大きなモジュレーションが載っていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基礎となる、基本測定セットアップの構築を行ない、放射光核共鳴散乱法を利用した、蛍光X線ホログラムとは別のパターンを持つガンマ線ホログラムの取得ができた。このガンマ線ホログラムにのっている、ホログラム振動より大きなモジュレーションに関して、物理素過程の検討を行っている。

今後の研究の推進方策

今後は(1)と(2)の各パートに分けて研究を進める。
(1)ガンマ線ホログラムの物理素過程の理論研究。
(2)より高精度のデータ取得を目指すための計測系の開発。

次年度の研究費の使用計画

高速検出システムの作成に特に時間がかかるため。
予算が許す範囲内で、プライオリティ順に高速検出部(素子・ステージ)の作成などを行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 放射光・核共鳴散乱でのγ線ホログラム測定2014

    • 著者名/発表者名
      岡田京子,松下智裕,依田芳卓,大端通,川瀬守,林好一,八方 直久,細川 伸也,櫻井吉晴
    • 学会等名
      物理学会第69回年次大会
    • 発表場所
      東海大学 湘南キャンパス
    • 年月日
      20140327-20140330

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公開日: 2015-05-28  

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