研究課題/領域番号 |
24540351
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
元屋 清一郎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60114683)
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キーワード | 磁気構造 / 時間分割測定 / フラストレーション / 中性子散乱測定 |
研究概要 |
本研究代表者は逐次磁気相転移を示す磁性体CeIr3Si2を低温相の温度領域に冷却すると、はじめ中間温度相の磁気構造が出現し、その後長時間に渡って低温相の磁気構造に変化する現象を発見した。これは規則構造をもつ3次元磁性体で初めて観測された現象である。 本研究課題では(1)磁気構造の長時間変化が試料の不完全さに起因する不規則性によるものではないことを実証する。(2)磁気構造の長時間変化の多様性の探求。などを目的として研究を開始した。 このうち(1)については実験・解析が終了し、本年度論文として公表した。(2)については種々の試料を作成し、磁化・比熱などの巨視的測定と中性子散乱実験を継続して行なっている。 本年度はCeIr3Si2の磁気構造変化のメカニズム解明を目指して米国オークリッジ国立研究所において中性子散乱実験を行なった。以前の実験では検出困難であった変化の初期におけるブラッグ反射の幅の時間変化を測定する事に成功した。これによって磁気構造変化が核生成・成長型の変化であることが確定した。実測とシミュレーションの比較から核生成と成長それぞれの時間発展の関数型と時定数を求めるこたができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物質探索と巨視的測定は計画通り進行している。 中性子散乱測定は国内施設の停止によってこれまで難しかったが、本年度は米国オークリッジ国立研究所での実験が順調に進行し重要な成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで順調に進んでいるので当初の計画通り研究を続ける。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末近くに請求のあった論文掲載費(別刷り代金)が予定額を若干下回ったため。 少額のため使用計画に大幅な変更はない。
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