研究課題
基盤研究(C)
一次元磁性は固体物理学の中でも最も成熟した研究分野のひとつであるが、未解決の問題もある。中性子非弾性散乱実験はエネルギー・運動量の四次元空間で動的構造因子を測定する実験手法であるが、四次元空間での分解能関数を考慮して、これを補正することにより、一次元反強磁性体CsVCl3の連続帯励起という量子効果を明瞭に検出することができた。開発した分解能補正を三次元スピン系にも適用した。その結果、測定した粉末試料の金属強磁性体SrRuO3の磁気励起スペクトルから、スピン波の温度変化を導出することができた。
強相関電子系・中性子散乱