分子の2量体で構成される物質で、もし、2量体の片方の分子に電荷が偏ると、その2量体には電気双極子が発生する。有機分子性結晶において、このような分子の電荷位置の偏りによる新しい誘電性発現の可能性が示唆されている。そこで、(BEDT-TTF)2X、(TTM-TTP)Xで表される有機分子性結晶において、ダイマー内、分子内における電荷位置自由度のゆらぎによる誘電性の探索とその理解を目指し、それらに関連した総合的な誘電性の研究を行い、いくつかの物質で結晶内の乱れも関連した、分極領域の成長による誘電率の異常増加や低温での凍結、不均一な電気分極などを発見した。
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