研究課題
基盤研究(C)
磁気フラストレーション効果による短距離磁気相関の発達を希土類金属間化合物Yb5Ge4において発見した。Yb5Ge4はリチウム置換によりフラストレーション効果の増強を狙ったYb4LiGe4の母物質である。3種類存在する結晶学的サイトの1つをYb3+が、残りの2つをYb2+が占めることをX線回折異常分散効果測定によって明らかにした。つまり、Yb5Ge4は室温において価数秩序状態であり、Yb3+磁性イオンの低次元的なネットワークが既に構築されている状況であった。磁化・比熱に観測される異常は、磁気相互作用の低次元化によってもたされる短距離磁気相関の発達に起因した現象であると結論付けることができた。
物性実験