研究課題
基盤研究(C)
5d遷移金属パイロクロア酸化物Cd2Os2O7は、Os原子のパイロクロア格子を持ち、227 Kで金属-絶縁体転移と同時に磁気秩序を起こす。しかし、磁気フラストレーションを有するパイロクロア格子上でどのような磁気構造が実現されるのかが分かっていなかった。我々は、高品質単結晶を用いて共鳴X線磁気散乱を行い、q = 0の格子整合な磁気反射の存在を見出した。群論に基づく議論から、Os上のスピンはall-in/all-outの非共腺型反強磁性スピン配列にあることが示唆される。all-in/all-out型の反強磁性を持つ物質では、特異な磁場応答等の新奇現象も予測される。
構造物性