研究課題/領域番号 |
24540366
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
梅原 出 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (90251769)
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キーワード | 重い電子系 / 超伝導 / 圧力 / 磁場 |
研究概要 |
重い電子系の反強磁性体で圧力誘起型の超伝導物質について、熱容量の測定から、その超伝導状態の特異性について研究を行うことが重要な課題でる。前年度までに、その研究が開始された。平成25年度は、(1)測定精度を向上させること(2)重い電子系の反強磁性体で圧力誘起型の超伝導物質の典型物資について多くの純良な単結晶を得ることを目的とした。(1)については、磁場を回転させることで生ずるノイズを押さえることが主な改良点となった。すなわち、圧力セルからのリード線の取り回しや圧力セル内部での熱電対極細線の取り回し等、磁場によるローレンツ力によって、細線の微小な「揺れ」がノイズの主原因であることをつきとめ、その防止を工夫した。それにより、測定精度が向上することが分かった。CeIrSi3、CeRhSi3、CeRhIn5、CeIn3単結晶を用いて、再測定を試みた。(2)については、CeRhIn5、CeIrIn5、Ce(CoRh)In5、CeIn3などの単結晶をセルフフラックス法で再び育成し、電子線、X線などのビームを用いた同定と電気的特性の測定等から純良性を議論した。2GPa以上の高圧力、0.5K程度の極低温、1~3テスラ程度の磁場下の所謂、多重極限下での測定、特に磁場を回転することで得られる超伝導ギャップの異方性について、前年度得ていたプリリミナリーなデータをさらに精度よく測定出来る実験装置系の構築が行えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2GPa以上の高圧力、0.5K程度の極低温、1~3テスラ程度の磁場下の所謂、多重極限下での測定、特に磁場を回転することで得られる超伝導ギャップの異方性について、前年度得ていたプリリミナリーなデータをさらに精度よく測定出来る実験装置系の構築が行えたことから、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
重い電子系の反強磁性体で圧力誘起型の超伝導物質であるCeIrSi3、CeRhSi3、CeRhIn5について磁場の角度依存性を詳細に測定し、超伝導ギャップについての知見を確たるものにする。最終年度にあたるので、成果を学術論文として発表する。
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