希釈冷凍機と超伝導磁石を用いた超低温および高磁場の多重極限環境の構築とキャパシタンス法を用いた高精度歪測定装置の開発を行ない,最低温度10mK, 最大磁場9Tにおいて試料長変化率の測定精度を10^-10まで向上させ,重い電子系物質における超低温および高磁場中での熱膨張・磁気歪精密測定から,量子相転移に起因する量子臨界現象を研究した。典型的な重い電子系物質であるCeRu2Si2において,フェルミ流体状態からの逸脱として現れる量子臨界寄与の温度および磁場依存性を測定し,超低温における量子臨界現象はこれまでに知られている反強磁性量子相転移とは異なる起源である可能性を示した。
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