反転の無い希土類化合物RNiC2の内、R=Smでは電荷密度波(CDW)が低温強磁性転移とともに消失し抵抗が減少することが知られていた。本研究では、多くの希土類元素について、純良単結晶を系統的に作成し、CDWの有無について詳細に調べた。その結果、変調構造には2種類あり、いずれもがランタノイド収縮による化学圧により変調構造が安定化することがわかった。すなわち、Prより重元素では不整合波数CDWが形成される。この不整合波数CDWは数テスラの磁場印加により破壊し抵抗を1桁変化させる交差物性を示した。Dy,Yではこの不整合波数に加え整合波数の変調構造が競合し、Ho以上では整合波数のみが現れる。
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