溶融塩、電解質溶液、ガラスなどのイオン性物質の構造と性質を記述する目的で、第一原理計算に基づいた分極イオンモデルの開発が進められている。本研究では、特に多価イオンを含む溶融塩の構造や性質の記述に支配的な影響を及ぼす双極子分極のモデルを主要な酸化物ガラスに適用してその限界を明らかにするとともに、より高次の分極および斥力の異方性を導入することによってこれらの限界が克服できることを明らかにした。これによって、より広範なイオン性の物質群に対して分極イオンモデルが有用であることが示された。また、イオン性の酸化物全般の記述に必要なパラメーターの最適化によってモデル関数の構築とモデルの一般化が達成された。
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