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2013 年度 実施状況報告書

量子グラフにおける特異節点の数理

研究課題

研究課題/領域番号 24540412
研究機関高知工科大学

研究代表者

全 卓樹  高知工科大学, 工学部, 教授 (60227353)

キーワード数理物理 / 物性基礎論 / 量子細線 / 量子素子 / 量子ホロノミー / 量子フィルター
研究概要

1 量子グラフを用いたスペクトルフィルターのうちで、エネルギー閾値を超えた側でフラットな透過特性を持つものの一般型を発見した。これは前年度に発見した外線数n=4の特異節点のある星形グラフをn>4の任意の外線数に一般化したものである。この問題が、散乱行列としてエルミートかつユニタリーなnxnの正方行列で、トリビアルなものを除いて最も多く0の要素を持つものを探す数学的問題に帰着できる事を示し、実際にそのようなものを構成する処方を示した。
2 外線数n=4の特異節点を持つ量子グラフで、特異節点の特性を支配するパラメータを連続的に変える事で全体でひと繋がり、または2つに分離した線からなるトポロジカルに異なる形状を滑らかに結びつける事が出来る事を示した。そしてそのようなパラメータの変化で異なった形状を経過してもとの方に戻るループを作り、そのループの上での量子グラフのスペクトル構造の変化を調べたところ、パラメータの周回後、エネルギー順位が入れ替わる、いわゆるエキゾチックな量子ホロノミー現象が存在する事を発見した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の発見の幅広い数学的一般化を行う事が出来た。その過程でエルミートかつユニタリーな行列についての数学的知見を得る事が出来た。
量子グラフにおけるエキゾティックな量子ホロノミーという、新しい組み合わせのある事を見つける事が出来た。

今後の研究の推進方策

これまで発見された量子グラフの量子素子絵の応用の可能性を、解析的手法、数値的手法の併用により更に探求してゆく。
また周期的構造をもつ量子グラフにについての萌芽的新知見を得たので、これについても追求して行きたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Quantum graph vertices with minimal number of passbands2014

    • 著者名/発表者名
      Sergey S. Poghosyan and Taksu Cheon
    • 雑誌名

      J. Phys. Soc. Jpn.

      巻: 83 ページ: 044004 (8pp)

    • DOI

      10.7566/JPSJ.83.044004

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quantum holonomy in Lieb-Liniger model2013

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Yonezawa, Atushi Tanaka, Taksu Cheon
    • 雑誌名

      Phys. Rev. A

      巻: 87 ページ: 062113 (6pp)

    • DOI

      10.1103/PhysRevA.87.062113

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exotic quantum holonomy and non-Hermitian degeneracies in two-body Lieb-Liniger model2013

    • 著者名/発表者名
      Atushi Tanaka, Nobuhiro Yonezawa, Taksu Cheon
    • 雑誌名

      J. Phys. A: Math. Theor.

      巻: 46 ページ: 315302 (17pp)

    • DOI

      10.1088/1751-8113/46/31/315302

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quantum anholonomy with topology change2013

    • 著者名/発表者名
      Taksu Cheon, Atushi Tanaka, Ondrej Turek
    • 雑誌名

      Acta Polytechnica (Prague)

      巻: 53 ページ: 410-415

    • DOI

      10.14311/AP.2013.53.0410

    • 査読あり
  • [学会発表] 量子キックドトップにおける新奇な量子ホロノミーと高次の例外点2014

    • 著者名/発表者名
      田中篤司, Sang Wook Kim, 全卓樹
    • 学会等名
      日本物理学会第69回年次大会
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] Reconstruction of quantum information after the measurement2013

    • 著者名/発表者名
      Sergey S. Poghosyan, Taksu Cheon
    • 学会等名
      Computer Science and Information Technologies (CSIT), 2013
    • 発表場所
      Yerevan, Armenia
    • 年月日
      20130923-20130927
  • [備考] 全卓樹ホームページ@Researchmap

    • URL

      http://researchmap.jp/T_Zen

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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